"鬼"上司と仮想現実の恋
私は、そのまま、しばらく悠貴さんの温もりを感じていた。



「そうだ! プレゼント!」

私は思い出して、顔を上げた。

「そうだった。」

悠貴さんも笑いながら、腕を解いて私を膝から下ろしてくれた。

私は玄関に置きっ放しにされた紙袋とバッグを取りに行き、悠貴さんは書斎からプレゼントを取ってきた。

「メリークリスマス」
そう言って悠貴さんがプレゼントを渡してくれる。

「メリークリスマス」
私も悠貴さんにプレゼントを渡した。

「ふふっ」
お互いに顔を見合わせて、笑った。

「開けていい?」

悠貴さんが言うので、

「どうぞ。
私も開けていいですか?」

と聞くと、悠貴さんは、

「うん。」

と答えた。
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