"鬼"上司と仮想現実の恋
「どうだった?って聞いたら、満更でもない
様子だったから、付き合うのか?って
聞いたんだ。」

私達は興味深々で悠貴さんを見つめた。

「それは、まだ分からないって言うから、
上村とどっちがいいって聞いてみた。
そしたら…」

悠貴さんは、私の飲みかけのワインを口に含んだ。

「即答で加藤って答えたよ。
上村に比べたら100倍かわいいって。」

「キャー!!!!」

私達は、思わず叫んでから、周りの目に気付いて頭を下げた。

「桜、よかったね〜」

私は、桜の背中をバンバン叩いた。

一通り、興奮しきって、落ち着いた頃、悠貴さんは更に続けた。

「田中はめっちゃ落ち込んでたよ。
田中、富田さんを振ったんだって?」

私達は、気遣うように百合ちゃんを見た。

「はい。
でも、もう大丈夫です。」

背筋を伸ばしてそう言う百合ちゃんは、とってもかっこいいと思う。
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