"鬼"上司と仮想現実の恋
「どういう事?」

「富田は、他の男性社員の世話を親切丁寧に
焼くだけでいい。
特に、新人2人なんて、分からない事
だらけだし、世話も焼きやすいだろ。」

「それって…
田中君にヤキモチを妬かせるって事?」

「そう。
男なんて単純だから、自分を見てたはずの
女が他の男に取られそうになったら、絶対、
イラッとするから。」

悠貴さんが言うと、

「ふふっ
部長みたいに?」

と桜が言った。

「え?」

悠貴さんが聞き返すと、

「部長、石原さん達の歓迎会で、石原さんが
暁里さんを口説いてるの見て、イラッとして
ましたよね?」

と桜がにやにやと笑った。

悠貴さんは、苦笑して、

「気付かれてたのか。」

と頭を掻いた。
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