"鬼"上司と仮想現実の恋
「何々? どういう事ですか?」

百合ちゃんまで加わってきた。

「んー、言ってみれば、それまで何とも
思ってなかったのに、『加藤さんって、
長谷部主任の事、好きらしいよ』って
言われたら、急に気になって意識したり
するだろ?
俺はそれをクマさんを使って1人二役で
やってた。」

と悠貴さんは悪びれもせずに言う。

「ずるっ!
それ、ずる過ぎでしょ!?」

田中君が言う。

「だって、お前、2年間絶対に会えないと
思ってた理想の女が、突然目の前に
現れたんだぞ?
そりゃ、必死にもなるだろ?
しかも、その女、ネット上の俺に
惚れてたんだぞ?
現実の俺に惚れさせなきゃ、残念すぎる
だろ?」

と言って、悠貴さんは私の肩を抱く。

私は、恥ずかし過ぎて、もう顔も上げられなかった。

「ふふっ
暁里さん、耳まで赤いですよ。
かわいいですね〜
ね、部長?」

と百合ちゃんまで、悠貴さんに振る。
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