"鬼"上司と仮想現実の恋
「だろ?
暁里は、世界一かわいい。」

ちゅっ

悠貴さんは、俯く私のこめかみにキスを落とす。

「ぅわっっ!
やめてくださいよ。
上司のラブシーンとか見たくありませんから。」

と田中君が不機嫌そうに言う。

「悪い。
暁里がかわいすぎるから、抑えられない。」

私はもう、恥ずかし過ぎて、どうしていいか分からなくて、下を向いたまま固まっていた。

「瀬名、固まってますよ。」

田中君に指摘されて、

「暁里、ごめんな。
嫌だった?」

と悠貴さんが聞く。

私は、ふるふると首を横に振った。

「田中さん、諦めてください。
部長、いつもこうですから。
私たち、もう慣れましたよ。」

と桜が言う。
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