"鬼"上司と仮想現実の恋
悠貴さんは、動じる事なく微笑んでいた。

高いだろうとは想像していたが、そんなにするとは思っていなかった。

「瀬名、すっげぇ玉の輿なんだな。」

男友達からも感嘆の声が上がる。

一方、悠貴さんの友人からは、

「は!? クマ、そんなに金持ってんの?」

と不思議そうな声。

「持ってねぇよ。」

と悠貴さんは答える。

すると、悠貴さんのお友達は、

「でも、ほら。」

と証拠のように宿泊価格を見せる。

「俺が金を持ってるんじゃなくて、暁里が
それを出しても惜しくないくらい、いい女だ
って事だよ。」

悠貴さんはそう言って、私の肩を抱く。

それを見た悠貴さんのお友達は、

「すっげぇ、あんなに女にドライだったクマに
そこまでさせるなんて!」

と変な感心をしていた。
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