"鬼"上司と仮想現実の恋
「38番!」

「っ!!
ビンゴ!!
ねえ! 悠貴さん! 見て見て!!」

私は喜んで悠貴さんにカードを見せた。

「ビンゴの方がいらっしゃるようです。
カードを持ってこちらへどうぞ。」

司会者の声に、私は我に返った。

「あ、これ、私がもらっちゃダメだよね?」

私が言うと、悠貴さんも苦笑して、

「そうだな。残念だけど辞退するか。」

と言った。

「おや? ビンゴは新婦様ですか?
おめでとうございます。
どうぞ、こちらへ。」

司会者が私に気付いて声を掛ける。

私は仕方なく前に出て、

「すみません。
今回は辞退させてください。」

と言った。

「いえいえ、これはきっと神様からの結婚
祝いですよ。
どうぞ、お受け取りください。」
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