"鬼"上司と仮想現実の恋
「おめでとうございます。」

司会者から封筒に入ったチケットを渡される。

マイクを向けられたが、

「ありがとうございます。」

としか言えなかった。

「一応、原稿にあるので聞かせてくださいね。
どなたと行かれる予定ですか?」

マイクを向けられて、私は顔が熱くなるのを感じながら、

「しゅ、主人と。」

と答えるのがやっとだった。


恥ずかしい…

私たちがあそこに泊まった事があるのは、さっきの動画でみんな気付いてるのに…



ビンゴが終わり、司会者に促されて、最後に悠貴さんが謝辞を述べる。

「本日はお忙しい中、私たち2人のために
お集まりいただきましてありがとう
ございます。

私たちは、若輩者ですが、これからふたりで
力をあわせて幸せな家庭を築いてまいりたい
と思います。

未熟な2人ですが、これからも、今までと
変わらず、ご指導ご鞭撻をいただきますよう、
お願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございます。」
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