"鬼"上司と仮想現実の恋
「縁起でもない事、言わないでよ。」

「ま、それは冗談だけど。
今夜、飲みに行くか?
愚痴ぐらいは聞いてやるぞ。」

「いいね〜。
じゃ、あとでね。」

私たちは、同期仲がとてもいい。

中でも、田中君は私が唯一、2人でも気にせず食事に行ける男友達だ。


15時30分。

私の番がきた。

「瀬名暁里(せな あかり)さんですね。
現在、抱えてる仕事を教えてください。」

部長は、ノートを広げて質問した。

「現在は食品メーカーの『豆の木食品』さんの
在庫管理システムを開発しています。
営業は田中君で設計が長谷部主任で、
私は主にプログラミングをしています。」

「現在、困っている事、問題点やトラブル等
ありませんか?」

「特にありませんが、強いて言うなら、
納期が短くて残業が多い事ぐらいですね。」
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