艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
%$#&@*+◇※▲∴・・・!?
****


最初に着付けをしてもらったホテルの部屋に戻った途端、どっと疲れが押し寄せる。身体の力が抜けてくると、急に帯が息苦しく感じられた。


それにしても、すごい部屋だと、改めて見回した。
さっきはゆっくり見ている暇もなかったけれど、普通ホテルの部屋といったら入ってすぐベッドがあって簡単なテーブルか壁に備え付けのドレッサーだか机だかのようなものがあって、本当に休むための最低限の空間しかないのが一般的じゃないだろうか。


この部屋は入ってまず、リビングルームが広がっている。ソファはふたり掛けとひとり掛けそれぞれひとつ、それから大きなテレビ。


実家のリビングより広々としていて、そこからまだ部屋があるらしくふたつほど扉があった。
正面にある大きな窓からは、夜にはまだ早い、オレンジと薄い藍色の空が見える。



< 108 / 417 >

この作品をシェア

pagetop