艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
店舗ごとや商品ごと、ネット販売分など細かなデータが書かれていた。どうにかして採算の取れていない本店の改善のためにも、父の協力を得たいと言っていた。
それを聞いている間にも、段々とわからなくなってきていた。本当に、そんなことでカツラギにメリットがあるのだろうか?
その部分は敢えて、私に話さないだけなのだろうか。
既に資本提携とも言える状態で無理矢理吸収合併しようと思えばできるのに、そうしない代わりに私と結婚するメリットは?
殴られてもいいと思うくらいの意思の強さはどこから来てるのだろう。
「あの……聞いても?」
「ん?」
「葛城さんにとってこの結婚のメリットはなんですか?」
良く分からなくなってしまった。