艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~


そんな私を見た葛城さんは、困ったような笑みを浮かべる。


「いきなり襲い掛かったりしないから。もう少し警戒解いてくれないと話もできない」

「……すみません」

「そこまで嫌がられて、何もする気はおきないよ。あんな仕事がらみのパーティなんて疲れるだろうと思って、少しは休めるように部屋を取っといただけだ」


彼は溜息を吐いて、両手を上げ降参とでも言いたげだ。


「え。その為だけにこんな部屋取っちゃったんですか?」

「寛げないなら他の部屋に変えてもらおうか?」

「いえいえいえいえありがとうございます」


そんなことしたら余計にお金がかかるでしょう!
慌てて首を振って「大丈夫です。寛いでます」と言ったけれど、頬は引きつっていたかもしれない。
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