艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
百夜通えば
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本店と実家は別棟だが、同じ敷地内にあり廊下で繋がっている。
まずは久々に本店の方に顔を出せば、季節の和菓子の中にアジサイを見つけた。
白餡の周りに、藤、桃、薄青色の寒天ゼリーの粒が色鮮やかに飾られている。
「これ、お兄ちゃんのですよね」
「当たりです」
兄と父では、同じ細工でも何かが違う。
まあ、どっちがいいとかそういうのは好みだと思うけど、兄の方が寒天ゼリーの粒が大きめでその分色艶が良く見える。父のはもっと繊細で光の加減で氷の粒のようなのだ。
「これふたつ、包んでおいてもらえますか。帰る時に取りに来ます」
長年勤めてくれている販売員の女性にそうお願いすると、私は奥の通路から実家の方へと足を進めた。
さて、バトルの開始である。
本店と実家は別棟だが、同じ敷地内にあり廊下で繋がっている。
まずは久々に本店の方に顔を出せば、季節の和菓子の中にアジサイを見つけた。
白餡の周りに、藤、桃、薄青色の寒天ゼリーの粒が色鮮やかに飾られている。
「これ、お兄ちゃんのですよね」
「当たりです」
兄と父では、同じ細工でも何かが違う。
まあ、どっちがいいとかそういうのは好みだと思うけど、兄の方が寒天ゼリーの粒が大きめでその分色艶が良く見える。父のはもっと繊細で光の加減で氷の粒のようなのだ。
「これふたつ、包んでおいてもらえますか。帰る時に取りに来ます」
長年勤めてくれている販売員の女性にそうお願いすると、私は奥の通路から実家の方へと足を進めた。
さて、バトルの開始である。