艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
薄情な人じゃない、と知れてほっとしたのもそのとおりだし、幼馴染なんて存在が彼の傍にいることを気にしてしまうのが、私だけではないことも知れて、気が楽にはなった。
『だからって、幼馴染に優しくしないでとか言えないし。ここは信じるしかないでしょ。恋人は藍ちゃん。堂々としてればいいよ』
『だね』
友人たちの言葉に安堵したところで、スマホの画面表示の左上の時刻を確認する。
午後九時を過ぎている。今日は会食があるといっていたけれど、そろそろ帰る頃だろうか。
みんなにありがとうと言って、一旦スマホを閉じようとしたときだった。
『でも、私なんか心配。藍ちゃん大丈夫?』
ぽん、とひとりからそんなメッセージが上がってくる。
『なんかその人、仕事も恋愛も、そつなくこなしそうなイメージ』
『いいことじゃない?』
『何かあってもごまかされそうってこと。藍ちゃん恋愛初心者だし』
玄関で、音がした。
彼が帰って来たのだ。慌ててそう告げて『ありがとう』のスタンプを送った直後、滑り込んだメッセージが目に入った。
『そういう人ってはぐらかすのも上手そう。相手を呼び捨てなのも気になる』
『だからって、幼馴染に優しくしないでとか言えないし。ここは信じるしかないでしょ。恋人は藍ちゃん。堂々としてればいいよ』
『だね』
友人たちの言葉に安堵したところで、スマホの画面表示の左上の時刻を確認する。
午後九時を過ぎている。今日は会食があるといっていたけれど、そろそろ帰る頃だろうか。
みんなにありがとうと言って、一旦スマホを閉じようとしたときだった。
『でも、私なんか心配。藍ちゃん大丈夫?』
ぽん、とひとりからそんなメッセージが上がってくる。
『なんかその人、仕事も恋愛も、そつなくこなしそうなイメージ』
『いいことじゃない?』
『何かあってもごまかされそうってこと。藍ちゃん恋愛初心者だし』
玄関で、音がした。
彼が帰って来たのだ。慌ててそう告げて『ありがとう』のスタンプを送った直後、滑り込んだメッセージが目に入った。
『そういう人ってはぐらかすのも上手そう。相手を呼び捨てなのも気になる』