艶恋婚～御曹司と政略結婚いたします～

声も潜められてよく聞こえず、仕事の話なら仕方ないと黙って控えていたのだが。


その時から、家に帰ってきた後も時々気になった。
仕事の電話がかかってきたときはピリピリして、怖いと感じる時がある。



仕事の時の彼を、私は家で垣間見るだけだ。
時折、別の人のように冷たい横顔に見える。


ふと、思う。


それを、幼馴染の彼女は毎日近くで見ているのだろうか。


絵里さんは、葛城さんの側にいるのだろうか。
事務って言ってたけど、どういう立場なんだろう。