艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
「もう、ひどい! 知らないうちに撮るなんてっ!」


しかも、完全にだらけきって熟睡してる顔だった。もうちょっと可愛らしい寝顔ならまだ良かったのに、めちゃくちゃ恥ずかしい。


「消してください、せめて待ち受けから外してくださいぃ」


お願いですから、と彼のスマホに手を伸ばそうとしたが、その手は彼にすぐに捕まってしまう。


「ダメ。仕事めんどくさいなって時もこれ見て頑張るから」

「めんどくさいって。仕事でしょ? もう、ほんとに消してっ」

「君も俺の寝顔撮っただろう。おあいこだよ」


げ、と彼を見上げれば、ちょっと意地悪な笑みを浮かべている。


「た、狸寝入り!」

「違う。音で起きたんだよ」

「でもそのあと寝たふりしてたんでしょう!」


葛城さんをこっそり撮ったとき、私どうしてたっけ?
確か、暫くその画像を眺めて待ち受けにしてみたり恥ずかしくて外したり、と色々やってた気がする。

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