艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
元々、花月庵の経営はここニ、三年はジリジリと右肩下がりだったようだ。
あまり芳しくないのだろうな、と思ってはいた。そこは、予測通りだが。
花月庵は、父の代から株式会社となっている。その株が、先日ひとりの人物によって買い占められたことがわかったという。
それが、パティスリーカツラギの社長、葛城圭だった。
「何、それ」
聞いて、愕然とする。
縁談を受け入れることが花月庵を守ることになると言っていたが、そういう状況に追い込んだのは葛城本人ではないか。
「ぶっちゃけると、もう、このままじゃ買収は免れない。そうなったら、花月庵の味も顧客も葛城のものだ」
「……うそ」
「葛城次第で、花月庵がどうなるか決まる」
思った以上に事は深刻だった。聞けば何か、話し合えば何か道が見つかるようなそんな気がしていたのに、甘かった。経営も何も知らない私は、安直だった。
あまり芳しくないのだろうな、と思ってはいた。そこは、予測通りだが。
花月庵は、父の代から株式会社となっている。その株が、先日ひとりの人物によって買い占められたことがわかったという。
それが、パティスリーカツラギの社長、葛城圭だった。
「何、それ」
聞いて、愕然とする。
縁談を受け入れることが花月庵を守ることになると言っていたが、そういう状況に追い込んだのは葛城本人ではないか。
「ぶっちゃけると、もう、このままじゃ買収は免れない。そうなったら、花月庵の味も顧客も葛城のものだ」
「……うそ」
「葛城次第で、花月庵がどうなるか決まる」
思った以上に事は深刻だった。聞けば何か、話し合えば何か道が見つかるようなそんな気がしていたのに、甘かった。経営も何も知らない私は、安直だった。