艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
玄関で悶絶しながらも、このところの自分を反省した。
結婚も子供も考えてくれて、未来は何も揺るぎない。
私がちょっと御手洗さんの挑発的な視線に煽られてしまっただけで、大田原様の茶会のこともきっと考えがあってのことだ。
変に葛城さんを疑った自分が恥ずかしくなった。自分はこんな風に誰かを疑いの目で見たり探ったりするような人間ではないつもりだった。
「……初心に帰ろう。よし!」
玄関でしゃがんだまま、ぱんっと両手で自分の頬を叩く。
結婚は相手を信じること。そう思って、恋愛感情がないままに踏み出したのは私じゃないか。