艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
今はそれも伴っているのだから、ちゃんと前には進んでいる。
『たまにはデートしよう』
そう言ってくれた。
何を着ていこうか、どこに行くんだろう?
舞い上がった私は、掃除と洗濯をいつもより念入りにして買い物もすべて済ませ、昼過ぎにはあとは彼の連絡を待つだけになってしまった。
コーディネートは、白のワンピースにちょっと大人っぽく見えるように高めのヒール。
じっと待つより、早めに出かけて外で彼からの連絡を待つことにした。
その方が、彼が仕事が終わればすぐに会える気がしたのだ。それに、仕事中の彼を窺えるわけではないけれど、一度彼の会社を見て見たかった。
まだ一度も見に行ったことがなかったのだ。
あれこれ詮索するうちには、これくらいなら入らないだろう、と軽い気持ちだった。