艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~
夏が過ぎ、九月の上旬。
私たちは、婚姻届けを提出した。
実家にはそれぞれ報告して、その数日後のことだった。葛城さんの実家から届いたのは、地元の窯元で作られた夫婦茶碗と、パティスリーカツラギの本店のみで作っているというバームクーヘンと、メッセージカード。
そこに書かれていたことに、私は愕然とした。
次に、むちゃくちゃ腹が立った。
それから最後に泣きそうになったところで、彼が帰宅した。
「圭さんっ!」
「ただいま」
いつも通り、玄関先でただいまのキスをしようとする彼を避け、メッセージカードが見えるように目の前に突きつける。