Jewels
少女の言葉を聞いた途端、男は面倒そうに顔を背ける。


「あぁ…、もうそんな時間か…。面倒だな。」

「面倒!?」


少女が呆れたように目をみはる。


「姫は1分遅れただけでへそを曲げる。」

「ならば遅れないように準備をなさればよいではないですか!」

「解ってるんだが体が動かん。」

「まぁ!」

「姫の怒った顔を思うと、支度も遅々として進まぬ。」

「またそんな子供みたいなことを…」


少女が言葉を続けようとした瞬間、部屋の外から慌てた様子の声が聞こえた。


「金剛(コンゴウ)様~!金剛様~!」


少女は瞬時に反応し、いたずらを見つけられた子供のような困った顔をする。


「黄金(コガネ)さんだわ。きっと探しにきたのよ。」


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