苦いアメ
ファイルを取りに行くため、資料室に向かった。

今日は何をすればいいのかな?
サポートっていっても、何をすればいいの?
出張の場合、私も行くのかしら?

そんなことを考えてると、聞き覚えのある低い声が聞こえた。

「おい」

…あの人よね?春木雅だよね?

「おい、聞いてんのか?橋本」

「な、何でしょう?」

な、何よ。なんで朝からそんな不機嫌なのよ。

「10時から、とは言ったが、丁度いい。来い」

「え!?」

今から!?

私の驚いた声が気に食わなかったのか、眉間にシワを寄せてハァ…と深いため息をついた。

「来い。どうせ今日からサポートするんだから、時間が早まろうが関係ないだろ。それともなんだ?今更嫌ですって言うんじゃねぇだろうな?」


春木雅は私をジロリと睨んだ。
私よりも頭一個分背が高いからか、迫力があり、綺麗な顔をしているからさらに怖い。


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