苦いアメ
お、起こした方がいいよね?


恐る恐る奏太の肩をトントンと叩く。
起きる気配はなく、心地よさそうに寝てる。

なによ…私だけ焦って馬鹿みたいじゃない。

っていうか、なんで奏太がここで寝てるのよ?

私、昨日何してたっけ?

必死に思い出そうとしても、全く思い出せなかった。
思い出そうとしすぎて頭が痛くなったので諦めた。


「どうしよ……って、そんなこと思ってる場合じゃない!!」


チラリと時計を見ると、私がいつも出る時間ギリギリだ。

やばい。これはやばいぞ。とブツブツ呟きながら、出勤の支度をし始めた。


「あ…奏太どうしよう」


支度が終わったところで、奏太をどうするか考えた。

まだ寝てる。


ハァ…


深いため息が出た。
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