苦いアメ
とりあえず置き手紙と合鍵を置いておこうかしら？

そう思って、時間が無いのでササッと書いて家に出た。


急いで走って、なんとか電車に間に合った。


会社に着くと、私は急いで秘書課に向かった。

この大手企業に務めてる私は社長の秘書なので、なかなか忙しい。多忙だが、秘書課にいる人達の人柄や社長の人柄も良いので、楽しく過ごせている。


「おはようございます」


挨拶をしながら、自分の席に着いた。

パソコンを起動させてる間に、今日会議に使う書類を確認する。


「珍しいわね。晴花が遅刻だなんて」


同僚の美帆が優雅にコーヒーを飲みながら話しかけてきた。
美帆は、大学時代からの友達で、美人でスタイル抜群なのだが、結構サバサバしていて毒舌だ。


「昼休憩のときに聞いてほしいことがあるの。いい？」


これは誰かに話さないと頭の生理ができない、と思った。
だが、もうひとつ理由があって、美帆に隠し事をしても無駄だってことを前々から分かっていたからだ。


「いいわよ。ところで、社長が呼んでたわよ。」


「そうなの？なんだろう…」


「さあ？あんた、何かミスでもしたんじゃない？」


笑いながら酷なことを言われたけど、気にしないでおこう。
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表紙・目次

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