この手をぎゅっと、離さないでね?
「あかり……なぁ、あかり!聞いてる?」
「はっ……ごめん!聞いてなかった…」
帰りのバスの中で、すぐとなりに座る洋くんに肩を叩かれた。
「なんかぼーっとしてるけど大丈夫か?なんかあった?」
せっかく洋くんと一緒に帰ってるっていうのに…。
お昼休みに、光琉くんに抱きしめられたことが頭の中をずっとぐるぐる回ってて。
洋くんとの会話に集中できない。
「いや……なんにもない…」