この手をぎゅっと、離さないでね?
はぁ…。
やっぱり洋くんが気になるぅ…。
今頃はるちゃんたちと合流して、楽しく笑いながら歩いてるのかなー?
はるちゃんはチャンスとばかりに、洋くんに猛烈なアプローチをするのかな…。
いやいや!
だからといって、洋くんは私のことを好きだって言ってくれてるんだから!
気にしたら負けだ!
「お前いまの聞こえてっからな!」
校門を出てすぐのところで、後ろから聞き覚えのある怒号が聞こえてきたからはっと足を止めた。
この声は…?
もしかして光琉くん…?
びっくりして振り返ると、だだっ広い校庭のど真ん中にはいつの間にか小さな人だかりができていた。