この手をぎゅっと、離さないでね?
「俺にケンカ売ってんのかぁ!?あぁ!?」
地面に倒れこんでいる男子生徒の上にまたがって、胸ぐらを掴んでいるのはやっぱり光琉くんだ。
すごく怒ってるみたいだけど…どうしたんだろう。
それよりも早く先生を呼んでケンカを止めてもらわなきゃ!
「おい、聞いてんのかゴラァ!!」
光琉くんが男子生徒に向かって拳を振りあげた。
「あっ!!光琉くんダメっ!」
怖いなんか言ってられないような状況だったから、無我夢中で振りあげられた腕に後ろからしがみついた。