この手をぎゅっと、離さないでね?
光琉くんが校門に向かって歩きだすと、野次馬をしていた生徒たちがササッと道をあける。
光琉くんはイライラした様子で、オラどけやなんて言いながらズンズン歩いていく。
「ちょっと待ってっ…!光琉くんってば!待ってよ!」
光琉くんが通ったあとを走って追いかけて、肩を掴んだ瞬間に動きが止まった。
「あぁ?なんだよ?」
うっ……。
目がいつも以上に怖い…。
「えっと……その、なにか嫌な思いでもしたのかなって…。私でよければその…愚痴とか聞くよ?」