この手をぎゅっと、離さないでね?
洋くんが呼んだわけでもないのに、自然と人が集まってくる。
まるで、磁石のようだなって思ったこともあった。
「詩織だって最初は俺と仲良かったのに。仙崎と遊ぶようになってからは、仙崎の方ばっかりだ」
ようするに光琉くんは、そんな洋くんが羨ましかったってことなんだね。
「そっかぁ…」
「それに俺は、親から彼氏が来るからその間どっか行ってろって家を追い出されてんのに…。仙崎は夜遊びしてる途中、しょっちゅう親から帰ってこいって電話がきてたし」
「だから……洋くんが羨ましかった?」