この手をぎゅっと、離さないでね?



なんか不機嫌?じゃないよもう!

洋くんがはるちゃんと仲良くしすぎるからじゃんかーっ!



ぱっと顔をあげると、しゃがみこんで私を見ていた洋くんと視線が平行になった。



「待って……なんで泣いてんの!?」

「洋くんのバカ!」



我慢しきれなかった涙が、ぽろり、と頬を伝う。



もうすぐ1時間目の授業がはじまる。

だけど私は勢いよく席を立って、泣きながら教室を飛び出した。



こんな顔で授業なんてできない…。

授業をサボることは絶対にしたくなかったけど、今日だけ。



この時間だけ、涙がおさまるまでの間だけ保健室で休ませてもらおう。



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