この手をぎゅっと、離さないでね?



「洋くんがね……」

「うん?」

「はるちゃんとばっかり仲良くするからね…」

「えっ?」

「だからね、それがすごく嫌なのっ!」



洋くんの反応が怖かったけど、ドキドキしたけど…。

思ってること、やっと言えたぁ……。



「え、そんなことで泣いてんの……?」



洋くんは拍子抜けした、とばかりに目を点にさせてびっくりしてるけど…。

『そんなこと』なんかじゃないんだからね!



「もうっ!!なによその反応はぁっ!」



なんならちょっと半笑いだし!

私は勇気を振り絞って、ようやく嫌だったってカミングアウトできたっていうのに!



< 169 / 347 >

この作品をシェア

pagetop