この手をぎゅっと、離さないでね?



「まぁな」



洋くんが階段に座りこんだから、私もその隣に腰をおろす。

ムスッとした横顔を覗きこむと、洋くんは光琉くんとの関係を話しはじめた。



「中学2年生のときは、ほぼ毎日のように一緒に夜遊びしてたんだよ。それまでずっと、尾崎は真面目なやつだと思ってたから夜遊びなんかするんだなーって最初は驚いたんだけどな」



規則正しい生活をしていた光琉くんが、夜に出歩くようになった理由がお母さんなんだよね。

お母さんに彼氏ができちゃったから。

その彼氏が家にいる間は、追い出されていたんだって。



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