この手をぎゅっと、離さないでね?



服にもさんざん悩んで、ふわっとした水色の膝上スカートに白いブラウスっていう服装に決まったところで。

洋くんから着いたよ、っていうラインのメッセージがきた。



待ってましたっ!

キャメル色のショルダーバッグを肩にかけて、バタバタと階段をかけおりた。



「洋くん、迎えに来てくれてありがとうっ!」



バン、と勢いよくドアを開けると黒色の自転車に跨った洋くんがいた。



ちょうど膝が隠れるくらいの丈の、ダメージ加工が施されたジーンズ。

黒色の半袖シャツ。



こうやって、洋くんと私服姿で会うことは6年ぶりだな。



お互いに当時の子供っぽさなんてなくなってて。

もう何度も2人きりで会っているはずなのに、なんだか気恥しい。



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