この手をぎゅっと、離さないでね?



「はぁ。あのとき、あてつけで洋に告ったりなんかしたのが間違いだったんだよなぁ。あれさえなければ、洋のこと好きにならなかったんだろうなー」



龍介くんと真也くんと楽しそうに話す洋くんを眺める詩織ちゃんの瞳は、悲しみをまとっていた。



詩織ちゃんが洋くんに告白したのは、みっちゃんからも洋くんからも聞いたからびっくりすることなんかないんだけど…。



ちょっと待って……。

あてつけってどういうことだろう?



「詩織ちゃん…あの、あてつけっていうのは?」



それはつまり、洋くんのことを好きなわけでもなかったのに告白したってことかな?


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