この手をぎゅっと、離さないでね?



「おっ、やっぱすげぇ飛んでんじゃん」



フェンスに両手をかけて、洋くんの指さす先を流れる川に視線に投げた。



「あーっ、すごいっ!」



川べりの草むらの中を、ぼんやりと黄色い光がたくさん浮かんでいる。



「わぁ……すごい。星空みたい…」



満天の星空が、目の前に落ちてきたみたい。



淡く光ってはすうっと消える。

光彩をぼかしながらふわりと浮かぶ光は、川べりに集まる人々に歓喜を与えていた。



「すごい、すごいよっ!本当にきれいだね、洋くん!川が光ってるみたいだよ!」



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