この手をぎゅっと、離さないでね?



数えることなんてできない、おびただしい数の光。



感動する。

こんなに幻想的なのに、人の手で作られたわけではなくて自然に現れたものだっていうのだから。



「ははっ、なんかすげぇ嬉しそうだな?」



そうだ。

6年前のいまごろ、洋くんとこの光景をまた一緒に見ようねって約束したんだよね。



私が都会から帰ってきたら、また一緒に見ようねって。

もしかして洋くんは、あのときの約束を覚えてたから私を誘ってくれたのかな?



「洋くんと一緒にホタルが見れたんだもん。嬉しいに決まってるよぉっ」

「そっか」



洋くんに柔らかく微笑みかけられ、腰に回った左腕にぐいっと抱き寄せられた。



< 213 / 347 >

この作品をシェア

pagetop