この手をぎゅっと、離さないでね?



「あー、疲れた。ちょっと休憩」



洋くんは机の上にシャーペンを転がすと、そのまま後ろに倒れこんだ。



「休憩して、あとちょっとだけ頑張ったら今日はもう終わりにしようね」



こんな調子で、本当に大丈夫かなぁ。

漢字の読みがな50問、洋くんがちゃんと答えられたのはたったの7問だけだった。



もうちょっとペースをあげて勉強してほしいところだけど、洋くんにはこれが精一杯かなぁ…。



って、やけに静かだけどもしかして寝ちゃった?



「洋くん?起きてる?」



上から顔をそっと覗きこんでみると、洋くんがぱっと目を開けた。



あ……寝てたのね。



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