この手をぎゅっと、離さないでね?
「……っ!?」
え……ちょっと待って。
私……光琉くんにキスされてる!?
「だっ……だめぇっ!」
光琉くんの胸を強く押すと、触れ合っていた唇が離された。
「……は?」
階段の下から、聞き慣れた声が聞こえてきた。
ガシャン、とまだ中身の入ったペットボトルのような何かが落ちる音と同時に。
私に覆いかぶさるようにして壁に両手をついていた光琉くんがすっと私から離れると…。
荒井くんと多津くんのとなりで、目を見開いている洋くんと目が合った。