この手をぎゅっと、離さないでね?
「洋くん!お願い!もうやめてぇーっ!」
光琉くんの目や口の端は赤黒く腫れているし、それに洋くんの鼻血もまだ止まってない。
「ふざけんなこの野郎!こんなもんですむと思うなよ!立て!さっさと立てよオラァ!」
泣きながら叫んだけど、それでも洋くんはうずくまったままの光琉くんしか目に入っていないみたいで。
私の声なんて、まるで届いていなかった。
「洋!もうこれ以上はやめろ!マジで殺す気かよ!」
「ちょっと落ち着けって!」
荒井くんと多津くんが必死で止めてくれている間に、騒ぎを聞きつけた先生が5人くらいやってきて…。
あちこちから血を流す2人が連れていかれたことで、ケンカはようやく終わった。