この手をぎゅっと、離さないでね?



私をじろりと睨む荒井くんの目が怖い。

荒井くんにはよく睨まれることがあるけれど、今日はいつにも増して鋭く光っているような気がした。



「アイツ、すげぇショック受けてたぞ。お前と尾崎がどういう関係か知らねぇけど、ちゃんと洋に説明してやれよな」

「うん……。それはもちろん…」



光琉くんに抱きしめられたこと。



どうしてそうなってしまったのかということと、どうして抱きしめられたことを黙っていたのかということ。



洋くんにはちゃんと、話そうと思ってた。



「まぁ今日は病院やらなんやらで忙しいだろうから、また数日経ったら連絡してやれよ」

「病院って……?」



< 266 / 347 >

この作品をシェア

pagetop