この手をぎゅっと、離さないでね?
私をじろりと睨む荒井くんの目が怖い。
荒井くんにはよく睨まれることがあるけれど、今日はいつにも増して鋭く光っているような気がした。
「アイツ、すげぇショック受けてたぞ。お前と尾崎がどういう関係か知らねぇけど、ちゃんと洋に説明してやれよな」
「うん……。それはもちろん…」
光琉くんに抱きしめられたこと。
どうしてそうなってしまったのかということと、どうして抱きしめられたことを黙っていたのかということ。
洋くんにはちゃんと、話そうと思ってた。
「まぁ今日は病院やらなんやらで忙しいだろうから、また数日経ったら連絡してやれよ」
「病院って……?」