この手をぎゅっと、離さないでね?



「洋、鼻の骨が折れてたらしいから」

「そんな……っ」



鼻の骨が折れていたなんて…。

だから白いカッターシャツを真っ赤に染めるほどの、大量の鼻血が出てたんだ…。



「私のせいだ……」



光琉くんに距離をつめられたとき。

すぐに離れていれば、キスをされることはなかったんだ。



私がちゃんと逃げられなかったから。



洋くんを傷つけて、怒らせて…。

骨を折るなんてケガを負わせたのも、もとはといえばぜんぶ私のせいなんだ。



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