この手をぎゅっと、離さないでね?
そんなモテモテな洋くんと付き合ってるわけだから。
それを面白くないと感じる女の子はたくさんいるんだもんね…。
ましてや洋くんは、これまですべての告白を断ってきてて。
女になびかない硬派な男、とまで言われていた洋くんが選んだのが地味な私だしね…。
なんでアイツなんかが彼女やってんだよ、ってみんなに思われてそうだもん。
「あかり、ちょっと時間あるか?」
放課後になると、スクールバッグにペンケースを片付けていた私のところに洋くんがやってきた。
「ん……まぁ、18時までだったら大丈夫だよ?」
とくに予定があるわけではないけど、うちの門限は18時って決まってるの。