この手をぎゅっと、離さないでね?



帰りのバスの中で、ずっと泣いていた。



みっちゃんは私のせいじゃないよって言い続けていてくれたけど。

それでも、洋くんに対する罪悪感は膨れあがるばかりだった。



いまは洋くんに直接会うことは難しいだろうから、せめて電話で話したいな…。

ごめんなさい、って誠心誠意謝りたい。



家に帰ってから、何度も通話ボタンを押そうかと迷ったけれど…。

荒井くんがいまは忙しいからって言っていたことを思い出して、ラインを送ってみることにした。



『ケガ、大丈夫…?』



緊張しながら、洋くんに短いメッセージを送った。



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