この手をぎゅっと、離さないでね？

「……って、切られちゃった。ごめんねー、あかりちゃん。あかりちゃんに変わってあげるつもりが忘れてたぁ」

「あはは……うん、私のことは気にしなくていいよ」



じゃあ私が電話をかけても、洋くんは出てくれるのかな。

いつもどおりの明るい声で、もしもしって言ってくれるのかな。



あっ、そういえばラインの返信はきてるかな？

スカートのポケットからスマホを取り出した瞬間、ちょうどのタイミングで洋くんから返信があった。



『おはよー』



たったそれだけだったけど。

いつもなら、1時間目はなんだっけって聞いてくるけれど…。



やっぱりそっけないなって思ったけど。



でも返信があったから、ただそれだけのことでもすごく嬉しかった。