この手をぎゅっと、離さないでね?
「じゃあ駅前でアイスでも食べる?」
「えっ、本当に?行きたい行きたいっ!」
アイスクリームは私がこの世でいちばん好きなものだから、断るわけがないっ!
ペンケースをスクールバッグの中に放りこみ、席を立った私は目をきらきらと輝かせた。
「早く行こっ、洋くん!」
駅前のアイスクリーム屋さんは、学校から20分くらい歩いたところにある。
車どおりの多い道路に沿って、ひたすらまっすぐ歩くだけ。
前にも1度、洋くんと一緒にいったことがあるお店だ。