この手をぎゅっと、離さないでね?



3度目のインターホンで、玄関ドアが勢いよく開いた。



「あぁ!?なんだよしつけぇな!何回もならしてんじゃねぇよ!うるせぇな!」

「わぁっ……ごめんなさい!」

「え……ちょ。なんで…?待って、あかり?」



しつこくインターホンをならした人物こそが私だと、微塵も思っていなかったのか。

洋くんは目を丸々と見開いて驚いていた。



「洋くん!?顔がっ……!大丈夫!?」



鼻筋に沿って張られたガーゼの上からでも、殴られた患部が腫れているのがわかった。

それから右目の周りも青くなっているし…。

痛々しい…。



改めて、激しいケンカだったんだな……。



< 284 / 347 >

この作品をシェア

pagetop