この手をぎゅっと、離さないでね?



洋くんの優しい気持ちが嬉しくて、ニヤニヤしていると。

洋くんがゆっくりと顔を近づけてきたから、私は身を委ねるように目を瞑った。



吐息が交わり、唇が触れ合う。

軽く触れたと思えば離れて、でもまたすぐに触れて。



何度も何度も角度を変えてはキスが落ちてくる。



「んっ……」



徐々に深くなる、むさぼるような熱いキス。

かあっと全身が、焼けるように熱くなる。



「……ふぅっ」



これまでの軽いキスよりもずっと長いから、息がちょっと苦しい。

唇の隙間からもれる自分の吐息が熱かった。



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