この手をぎゅっと、離さないでね?



そう言って光琉くんは、洋くんの胸ぐらからぱっと手を離した。



洋くん……。

もしかしてこれは、光琉くんと仲直りをしようとしてくれているの…?



てっきりケンカをするつもりなのかと思ったけど…。

どうやら何か違う?



「何が言いたいかっつーとだな、小学生のころの俺は、お前のおかげで友達が増えたんだ。だから自然と人が集まってきたわけじゃねぇ」



ほら、やっぱりそうだ。

さっきまでは怖かった洋くんの目が、いまは優しいもん。



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