この手をぎゅっと、離さないでね?
「はっきり言って、お前の親はお前のことを必要としてなかったのかもしれねぇ。だけど、お前のことを必要としてたやつだってちゃんといただろ。少なくとも俺は、尾崎と遊び回ってた中2のあのころは楽しかったけどな」
うぅぅ……。
洋くんの言葉に胸がじんわりと温められて、なぜだか無関係な私の涙腺が緩んできちゃったじゃんかぁ…。
「……はぁ。いつもいつもお前はなんで泣くんだよ…」
「ごめ……光琉くん。なんだか感動しちゃって…」
光琉くんだって、もう洋くんを睨んだりしてないしっ。
睨み合ってない2人を見たのってはじめてなんだもん…。