この手をぎゅっと、離さないでね?
「わぁ、すごいねぇ。仙崎にお弁当作ってきたんだ?」
「えへへ……うん。洋くんが唐揚げが食べたいって言ってたからね早起きして頑張って作ったの」
「そうなんだ。すごいなぁ、私は料理できないから尊敬するよ」
「いやいや…恐縮です。じゃあね、みっちゃん!明日は一緒にお弁当食べようね」
お昼休み。
洋くんが前々から食べたいって言っていた唐揚げ弁当を2つ手に持って、廊下で荒井くんと談笑していた洋くんの背中を叩いた。
「よーうーくんっ」
洋くんはビクッと肩を大きく揺らして、振り返ると目を丸々と見開いていた。